介護の仕事というと、きつい、汚い、給料が低いといったネガティブな印象があります。実際のところ離職率は高い傾向にあり、それに伴い働き方改革を実行していこうという動きが近年高まってきています。
例えば、心身に負担がかかる主な原因である夜勤業務を見直した例があります。シフト制で一人が日勤・夜勤を行っていたのを、日勤専門職員と夜勤専門職員に分けたのです。体力があり昼夜逆転生活に比較的順応しやすい若者が夜勤専門に回ることで、職員一人当たりの負担を減らすと同時に働き方の多様性を実現することができるのです。
また、職員のキャリアアップを図ることでモチベーションをあげるという方法を実践している例もあります。介護の知識や技能を問う試験を定期的に行い、合格すれば基本給にボーナスをつける制度です。努力が可視化されて給与に反映されることで、職員の定着やサービス向上につながるということです。
子どもを持つ職員に対する働き方改革も行われています。小さな子どもを預けておける保育施設を社内に作り、職員が働いている間面倒を見ることができる環境を整えた例です。実際に働きながら育児をこなす職員にとってはいい職場環境といえるでしょう。また一部の自宅作業を認めることで会社の拘束時間を短縮し、家庭に時間を割くことができるようになった職員もいます。このように介護の仕事と家庭の都合を両立させることで、職員の離職を抑制させることができるのです。
他にも職員の希望に合わせて正規雇用・非正規雇用の切り替えを可能にしたり、有給の取得を積極的に促すなど柔軟な取り組みによって、介護の現場におけるさまざまな働き方改革が進められています。